Diary 2012. 8
8月29日 (水)
仕事 冥利、
台風が過ぎて、今日は暑いことには変わりないものの、なにやら秋の気配が漂う気がします。昨日、今日、お客様からのお礼のお葉書が、二日間で、七通も届きました。 本当にもう少し、今の厳しい仕事を、後継者達にしっかり引き継ぐ日まで、命と元気がほしくなりました。 欲は言いません。 『ま、これで良いか、、』 と、思われるまででも良いですから、元気と命がほしいです。
昭和何年でしたか、鹿児島の ”太陽国体” のマスゲームで、 串木野さのさ がおどられました。 今日 ふっ!と あの日の事を思い出しました。
”百万の 敵に卑怯はとらねども 串木野港の別れには 思わず知らず胸迫り 男涙をついほろり” ”落ちぶれて 袖に涙のかかるとき 人の心の奥ぞ知る 朝日を拝む人あれど 夕日を拝む人はない”
それこそ思わず 涙ボロボロ こぼしながら、テレビを見ました。 菅笠をかぶり、ゆっくりと落ち着いた 大勢のマスゲーム 今でも綺麗に思い出します。 何年か前、 夕日にすがった自分と、重なったのです。 串木野サノサの夕日を拝む心根と、あの日私がすがった夕日の心意は違うかも解りませんが、朝日は嬉しい時、明るい明日を願う時、夕日は 必死で何かにすがりたい時、絶対負けられない絶対絶命の思いの時、拝んでいる自分を思い出します。 そして今、夕日は私の母であり父のようであり、一番甘えられる存在になっています。
『神様 仏様 一生懸命精進いたします。 どうぞ心置きなく 御許に参られるように、今しばらく、後継者達が、この仕事の骨組みと、原理だけはマスターするまで、元気を下さい。』 と、すがりたくなります。 お客様の信頼だけは、絶対裏切りたくないのです。
8月28日 (火)
台風一過 虫の声
台風一過、朝起きて、道路も工場の庭にも、まだ青さの残るギンナンがいっぱい落ちて、里芋は株ごと抜かれかけたり、直撃ではなかったのに、朝から里芋の手当て。 夕方、明日からの梅園草刈の段取り等終えて、自宅へ帰ろうと梅園の中にある事務所から外に出た途端、薄暗くなった梅園の虫の声! 声! 声! びっくりどころか、夏の夜の虫、秋の夜の虫、それに地虫も何もかも交じり合った、大変な虫の声! 虫の声に包まれるという生易しいものではなく、虫の声にうずまって、押しつぶされそうな錯覚を感じる虫の大合唱! 急にものすごい虫の声の洪水です。
多分 大変な梅園の草 逞しくて柔らかい草に、毎日照ったり、降ったり、曇ったりして、渇きを知らなかったこの夏の多種多様の草に、虫が大発生したのだと思います。
【虫の声を聞く会】 等して、酒盛りをしても、人の声等 とても聞こえそうもない虫の声です。 明日は早速、録音しておきます。
今 夜中の十一時半 ”ガチャ、ガチャ、”とクツワムシの元気な声と、 ”ジーッジーッジーッ” と地虫が、かすかな夜風の中で鳴いているだけで、みんな鳴きつかれて眠ったみたいです。
8月27日 (月)
至上の よろこびと感謝
今日もお礼と感謝を込めて、発送の手紙を書き終え、郵便物に目を通しました。
ご注文の ”用紙” に添えて 【、、、我が家、我が身の健康作りにも、こうして真摯に取り扱っておられます紅梅園様とのご縁あってこそと、常々心より感謝致しております。 私共の方にも、そのお心遣いがよくよく伝わり、陰ながら応援、皆様方の健康を祈らせていただいております。 云々、 】と、ありました。
心も 目頭も熱くなり、仕事冥利に感謝すると共に、次世代に引き継ぐ責任の重さに、思わず 【今しばらく 私に健康を下さい!】 と、祈りました。
昔、結核病棟から脱出できて、余命は何時までか予測できないまま、【行ける所まででも、、】 と、よくよく考えてクリーニングを開業、やがて自衛隊の委託業者となり、いよいよ余剰金が見えて来て【畑を買って、、】と、悲願の農業を目指して必死だった頃、 自衛隊から自宅に帰る道すがら、誰もいない畑道で、土手にひざ間づいて 【どうぞ もうしばらく、私に健康を下さい! 】と、夕日に手を合わせて泣いた事を思い出しました。 私が三十歳前の 今から五十三年前の事です。 ”田平”と云う地名の 広い畑の小道でした。
あれから三年後、植えた鶯宿梅が下の梅園で、草刈を済ませてお盆休みに入ったのに、まだ二十日位しかたたないのに、倒木の梅も全部草に埋もれて、、。今年の九月は、草刈が大仕事です。
8月24日 (金)
振りかえる 人生
ご注文頂いた商品の発送は、毎日二十件前後ですが、今ご注文が重なり、毎日四十件前後の発送。 商品発送の緩衝材にする野菜の準備も倍になり、私は早朝起き抜けに、一時間ほど茄子等の収穫ついでに、草もぬきます。 帰ったら朝露に濡れ、泥に汚れた服を脱いで風呂に、、。 温まって疲れを癒す時間など、全くありません。
私の分担はその他に、お客様に 【有難うございます】 の感謝のしるしに、送り状の宛名を、万年筆で書きますが、普段 この仕事は、私のたつた一つの楽しみであり、義務なのです。
しかし、一日に三十件 四十件 と続くと、大変な負担になりますが、どうしても自分で書きたい、、。今日は二十件ほど書いてすっかり参って、自宅の畳に大の字に背を伸ばしたところ極楽の気持ち! 億の金でも買えない様な良い気持ち!!。
そのまま眠ってしまい、、テレビで目覚め、目に入ったのは 徳島県の ”祖谷”の映像でした。 私は今から三十余年前、どうしても鶯宿梅の経営が成り立たず、再勉強のため鶯宿梅の出所、徳島県の神野町まで、太平洋周りの旧道を走った事があります。 助手席の孫が 『ばあちゃん おうちがない! おうちがない!』と心細かったのか涙をこぼしながら、ベソをかくのに、言葉をかけてやるゆとりもなく、小雨の降る車がやっとの狭い道、素堀りのトンネル等、片方は切り立った崖、片方はとても怖くて覗けない谷、人一人通らぬ道を、『この道は国道なのだから!』を、頼みに、必死で運転 祈りながら走ったの思い出しました。
あの頃の事を思うと、今は有り難くて、とても腰が痛いの、膝が痛いのなど、甘えてはおれません。 あの時、ベソをかいた孫が、今の後継者です。 さあ! お客様がお待ちかねです。 有難うございます。 元気がもりもり湧いてきて、有り難い一日になりました。
8月22日 (水)
老いの目に 見えない蚊
東北や関東は暑いのに、南国の宮崎が少しだけ 32度前後に下がって、 【今のうちだ!】 と、慌てて庭の草取りをしました。
百日草 ダリヤ フロックス等 勢の高い花なのに、草の中に隠れてしまって、梅の剪定作業よりも踏ん張って、本気で頑張らないと草が刈れません。 年も忘れ、時間も暑さも何もかも忘れて、唯 一心に草刈を一時間半。
何とか ”ま 綺麗にはなったな、、” と、作業を止めたとたん、首も、腕も、脛も大変な痒さです。 気が狂いそうに痒い!。 しかし、犯人と思われる ”藪蚊” の姿はありません。 思わず掻くと、小さな血痕があるので、専務を呼ぶと、 「ここにも、ここにも、小さな蚊が止まってるがね! 」 。 でも、汚れだけで何も見えないので、虫眼鏡を持って来させて、よくよく見ると、本当に小さい 二ミリか三ミリ位の蚊なのに、ちゃんと、マダラの模様もある、昔の五ミリか六ミリ位の蚊の ”模型” みたいな蚊です。
もうずいぶん前から小さいくせに、”痒い!” と思っていましたが、刺された痕は、前の大きい蚊と同じ 腫れ なのです。 農薬を散布しないから、私のところだけの ”蚊”なのでしょうか。 不安な環境に、嫌な地球になっていくようで、本当に不安になります。
NPO法人【どんくり千年の森】 の活動で、毎年頑張っているのですが、、。藪蚊のように、小さくても、 ”キリッ!” と結果が早く出せるような、環境好転の方法はないものでしょうか。
下は、草の中で真っ黒で アマークなった ブルーベリー。 右は 疲れ果て、畳の上に大の字になったら、青空にピンクの優しい サルスベリの花。
8月16日 (木)
種の進化? 退化?
当地方の昔からの習慣で、盆と正月は、どうしても欠かせません。
梅園の草が一番伸びて繁る真夏、暑くて忙しい季節に、とても面倒なお盆ですが、 何とも穏やかな気持ちになって、迎え火 送り火を焚きながら ホッ! と、我に返れるのもお盆です。
今年は ”新発見”がありました。 八月に入ってダイレクトの作成と発送。それに今年は雨と高温続きで、梅園の草が伸びて繁って、草刈が二回増えて! お陰で梅の樹は体力の回復が早く、真夏の陽射しに葉っぱはキラキラ輝いて元気いっぱい。下の田の池も水がキラキラ満杯で、白い雲、青い空を写して、小さなトンボや昆虫がいっぱい飛び交っていますが、何とも小さいのです。
私が子供の頃は、トンボもヤンマーで大きく、蛙も殿様蛙や、蝦蟇蛙など、ネズミも大きくて、鶏小屋のネズミには、びっくりしたものです。
それが、今のネズミは、野鼠みたいに小さくなり、蛙も茶色の硬そうな皮膚の小さい蛙に変わっていて、春先 暖かい雨の夜半など、”クルル! クルル!” と、まるで鳥の鳴き声のように聞こえるので、夜中にソット行ってみたら、 ”チャポン! チャポン!” と、逃げて水に飛び込む正体は、小さな蛙でした。 蛙にしても、鼠にしても、農薬や自然環境の変化から、食べ物が不足したり変化したりして、個体を持ち堪える事が出来なくなって、小さくなったのではないかと思いますが、これは、 ”進化” したと思うべきか、”退化” と云うべきか、、。
昔の 足で ”パシッ! ”と蹴ると、 ”ガサガサッ!”と、大きくパンパンに膨れ上がった ”蝦蟇蛙” が恋しい! 。又、背中に綺麗なスジ模様を光らせて、きっ! と、スマートに構えた ”タカシロビッキョン” と、呼んでいた蛙、殿様蛙のことだったかもしれませんが、 たまらなくなるほど、恋しくなる事があります。
あの頃の 此の当たりの自然に比べると、今の自然は、行ったことはありませんが、中東あたりの乾いた自然のようで、寂しくなります。
8月4日 (土)
自分の年を 忘れ
先程届いたお中元のお礼状、、『漸くどうにか身の回りの事が出来るようになり、又 命を頂いたと、すべての自然に感謝しています。 無理の出来ない自分になりましたけど、気付いてみたら、九十歳でした。 若いつもりでしたので、自分の年に吃驚しました。』 と、自筆です。 私は ”吃驚”と云う漢字等、忘れています。
私も、月初め二日間、二十歳台の社員に、夏剪定の指導、説明をしながら、自分でも鋏やノコを使って、テキパキと、とても楽しいでしたが、二時間済んでお茶にになると、立ち上がれないと思う程、疲れ切って仕舞うのです。
暑さもありますが、今日の お茶の先生同様、仕事に追われていると、年感覚がおかしくなって、【若いつもり】も錯覚か、この事自体が ”ボケ”の始まりだろうと、自分を持て余してしまいます。 土に還る、、死ぬのが怖いとか、嫌だと言うのではありません。
まだ働きながら、庭作りや野菜や花作りも、したいのです。 買ったまま、まだ見てないビデオや、聴いてないCDもいっぱいあるのです。
【もう少し 人生を楽しませて下さい! 森羅万象の神様 仏様】
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