Diary 2006. 2
2月28日 (火)
急な暖かさで 一緒に咲いた梅園の花々
急な暖かさで梅の満開はわずか3日ほどで散り、梅園の周囲や下草の花は、一緒に咲き始めました。 急なため、散った梅の花びらの中に、タンポポの花茎は短く、地にひっついたように咲いていました。 そばに、黄水仙やクリスマスローズまで咲いているのにびっくりしました。
黄水仙は遅れぎみ、タンポポとクリスマスローズは、例年でしたらまだなのです。
2月27日 (月)
樹齢43年生の それぞれの個性
今年の梅の満開は、わずか3日ぐらいでした。
散り始めた梅園を回っていましたら、それぞれに個性豊かな梅達が、話しかけてくるのです。
これほどの梅を独り占めするのは、申し訳ないような気持ちさえしました。
左の梅は、盆栽のようになった梅。 真ん中は、杉の防風林に囲まれた梅達。 右の写真は、台風で真っ二つに裂けながら、しっかり花をつけている鶯宿梅です。
2月26日 (日)
小雨を押して 花見の宴
『今度の日曜日あたりが満開だろう』と、花見の宴を計画したのに、土曜日の午後から引き続き早朝まで雨。 梅園はビチョビチョなので、多分中止と考えていたら、昼の12時過ぎ、何時ものメンバーが2組見えました。 主催者は梅の花なので、各自で場所を選定してシートを敷き、有り合わせの食卓?を設定して、私がダイレクト発送の指示を済ませ行った時は、もう少々盛り上っていらっしゃいました。
花見は毎年のことだし、雨もようなので宴は中止と決めていたのです。 しかし、何のご馳走もないお酒だけの宴でしたが、梅の花びらが皆の髪やお酒の中に舞い散り、手振り身振りでお話がはずみ、終いには『彼をよべ』『あの人にも電話して』となり、日暮れちかくなって冷え始めると、焚き火が始まりました。
雨に濡れた薪は、煙もうもうと皆を巻き、『狸が出る!』と、初老の人達が子供のようにはしやいで、それなりに良い花見でした。
梅の花見に、怒声や酒乱の騒ぎは絶対おこりません。 かねて、酒乱癖のある人は、仲間から『今日は野外だから、派手にいけ!』と冷やかされ『酒のさかな』にされながら、とっても可愛いものです。
詠み人知らずの短歌一首 『育て来し 梅も主人も 老いたれど 今尚花咲く 紅梅園や』
やっと皆さんが、二次会に発たれた後片付けの時、箸袋に書いてありました。
写真左は、今年最後に咲いた花梅。 真ん中は、身振り手振りの花見客。 右は樹齢43年威風堂々の鶯宿梅。
2月24日 (金)
梅の寿命
今日は久しぶりのお天気です。 しかし、『夕方は雨、一時強く降るでしょう』とのこと。 急いでデジカメを持って畑を回って来ましたが、自宅の一角に植えたある、父と兄の形見の花梅が、ひっそりと咲いていました。
これは、盆梅だったのですが、忙しくなって手入れが行き届かず、枯らしては大変と、地に下ろしました。 地に下ろしてから父の形見は67年、現在の場所に移植して37年、兄の形見は25年になります。その盆梅にする前が何年あったのか、やせ細った古い幹に、花の数は少ないですが、きれいな花を咲かせていました。 大宰府の飛び梅同様、主人の亡き後も、けなげに生き続ける梅がいとおしく、父と兄の想いが偲ばれました。
左の写真は、兄の形見の紅梅。 真ん中の花は、父の自慢だった形見の源平紅梅、紅梅と白の咲き分けですが、今年は紅梅は、ほんの2.3輪でした。 右の花は、昔、子供の頃、病弱な私が病床の中から『京都の官女様みたい』と、見たこともない官女を夢見た、思い出の『御所車』です。
2月23日 (木)
満開の梅園
今日も曇り。皆さんに梅園の花をご紹介しようと思っても、毎日お天気が悪くどうしようもありません。傘を持って、台風に傷められた梅の様子を見回りながら、『もう少し枝を落としてやらなければ、梅の体力が持たない梅』とか、『もう少し肥料の足りない梅』、『支えの必要な梅』等など、1本1本の梅に、はっきりと個性のあるのが解ります。 顧客の皆さんに、花の便りを添えて、ダイレクトも発送したいし、本当に手がほしいと季節です。
左の写真は、満開の若い玉英。真ん中は、台風に毎年のように傷められる鶯宿梅、台風の通り道かも知れません。 右は、元気な若い梅、梅の木の間の日当たりが良いので、犬ふぐりや、仏の座など下草のお花畑です。
2月20日 (月)
7分咲きの 紅梅園
今日も小雨です。気温が上がってきたため、急に梅が咲き始め、『梅の花見の時期は何時頃ですか?』とお電話を戴きながら、もう、アッ!と云う間に満開です。
一昨日は、保育園児の嬉々とした声が聞こえ、三々五々お花見に来る人が絶えませんが、梅園の中にある事務所に、『きれいですね。お花を見せて頂いて良いですか?』と声をかけられる人、黙って、私共と目が合っても、すぐ目をそらして、勝手に梅園に入っていく人、様々の人達です。
『すみません。台風で梅が傷んでおりますので、恐れ入りますが、梅園の中には入らないように..』と、精一杯の気を使いながらお願いすると、『とんでもない、ここから見ても花の下ですから、ここで充分です。管理も大変ですね』と、ねぎらって下さる方には、つい忙しいのに『お茶でもどうぞ』と言ってしまいます。
まだ梅が蕾だった頃、発送する商品の中に、梅の一枝を同封しました。雪のニュース等聞いて、せめて花の香りを..と小さな枝だったのに、『花が開きました。老母が感動して..私も感謝でいっぱいです』とか、『紅梅園の梅の花が相模原まで旅をして、今、ばあちゃんの暖かい部屋で、見事に咲いています..』等など、わざわざ、送った梅が咲いている写真まで添えたお礼状もあります。何とお礼を申し上げて良いのか、こちらが感動して、目頭が熱くなります。
写真左は、梅園の園児たち。真ん中は、早咲きの藪椿。右は、五分咲きの鶯宿梅。
2月17日 (金)
お得意様は 私共の大切な身内?
お得意様に対し私達は、大変おこがましいことですが、自分達の身内以上の近親感を持ち、何時も気にかかっております。 もうすぐ冬野菜も種を残すため、花のとうが立つので、皆様への贈り物用に、今日はジャガイモを収穫して、大根とほうれん草の種まきをしました。
一昨年は、11月1日に種まきした人参と大根やほうれん草が、とても順調で美味しく豊作だったので、昨年の11月1日に種まきしまたところ、今年は全く全滅でした。雪が降ったり寒さも強かったのですが、寒暖の差が乱高下したせいもあると思います。 何とか天候や野菜たちとも折り合いをつけながら、これから夏野菜までの間をつないで行かねばなりません。
夕方、収穫したジャガイモを運んで、霧島東神社の子供の梅の下を通りましたら、とってもきれいに満開でした。
写真左は最後のジャガイモの収穫(収穫量は少ないですが、成分は本物です。)
中は、玉ねぎに油粕を与えて草取り土寄せ。右は神社の子孫の満開の梅。
2月16日 (木)
暖かい雨で 梅が三分咲きに
12日の日曜日は、あっちに1輪、こちらに1輪だけの開花だったのに、今日は雨の中、急に三分咲きになりました。 私達人間が「暖かいの寒いの」と感じるよりも、確かに梅の方が正確に温度をキャッチします。 梅の花は温度の蓄積により開花しますので、寒くなるとその開花状態のまま、開花を停止させ、三寒四温の乱高下の年は、開花したり開花が止まったりしながら、咲いた順番に散っていき、梅もちょっと寂しそうですが、順調な年は、じっと寒さに耐えながら、一輪又一輪と早春の気配に咲き始め、咲いただけづつ静かに散っていきます。
昔の人は、梅の花が散ることを『こぼれる』とも言い、本当にぴったりの表現です。
春が順調に近づいて来る年は、満開の時期がはっきりと予想できて、まるで梅も満開の日を予知していたかのように、早春らしく咲き揃います。
穏やかな暖かい陽に、それはそれは、きれいなピンクの花々を薫り高く咲かせ、青空を覆いつくして、蜜蜂たちの羽音まで宇宙の波動のように伝わり、花を枝を飛び交いながら、目白の群れも緑の下草に陰を落として、本当に静かで平和です。
今日で三日続きの雨、小雨、曇りの入り混じった日が続いていますが、晴れてくれるのを、祈りたい気持ちです。
左 陽だまりに咲く椿と鶯宿梅。 真中 台風で横倒の鶯宿梅。 右 三分咲きの鶯宿梅。
2月12日 (日)
梅の蕾が、ふくらみ始めました。
日曜日返上で今日も剪定。昨日今日、昼間暖かかったせいか、急に梅の蕾がふくらみ始めました。もう、疲れたの何のと言っておれません。暖かい陽を体いっぱい浴びて、剪定作業は本当に幸せです。 梅が『今年は何でおくれたの?』と話しかけているようで、『荒川内の梅が大きくなって時間がかかりすぎて..、ごめんね』等と、梅と話しながら剪定。 切り落とした梅の枝に、小さな蜂の巣も残っており、カマキリの卵もついていました。 無農薬のため、カマキリ達が虫等を食べてくれます。 卵は、硬い殻の中に無数に入っていて、季節が来ると、1センチ未満の透き通るような、細い緑色のカマキリの子供達が、梅の若葉の上にいるのを良く見かけますが、あんなちっちゃな身体で、何を食べているのかと、心配します。今日も硬い卵を3個みました。
梅の花は、三寒四温の季節の中で、温度の蓄積によって咲くのですが、帰宅してから庭の陽だまりに行ってみると、先日満開だった霧島東神社の子供の梅が、咲いていました。
小松菜も大きな葉に包んで、真ん中に蕾を育てていました。
早春たけなわ!今、まさにど真ん中!。私の一番好きな季節です。明日も頑張ります。
写真左 落ちた蜂の古巣。中 霧島神社の分身梅。右 カマキリの卵。
2月2日 (木)
霧島東神社と 早春の梅の花
約1800本の梅の木、2月に入ったのに、まだ剪定中です。
疲れ果て、久しぶりに仕事を休み霧島東神社に参拝。社殿左の、昔の切り株の中から伸びている木が不思議で行って見ると、たぶん、鳥等に運ばれた種が切り株に落ち、その切り株から養分をもらって育てられた木でした。
打ち続く台風と大雨に、太木の切り株を覆っていたコケ等が叩き落とされ、新しく育てた木を真ん中に抱いて風化した切り株は、ゴツゴツと木目もあらわに、むき出しになっていました。 太古の時の流れを、しみじみと感じました。
1200年の歴史の神社は、神仏混合の山岳宗教の神社で、ご神体は竜神様とのこと。鬱蒼とした杉木立のたたずまいは心の安らぎを感じ、有機農業の先の見にえない時代、真夜中に参拝した事もありました。
それから、社務所前の600年の伝説を持つ紅梅は、私も接木してその子供を育てていますが、小さなピンクの花で小さな実がなります。 四季を通した水温の一定と、落葉等湖面に何一つ浮かべない霧島七不思議の御池の恵を受けてか、昔の寒かった時代の生まれのせいか、毎年初詣には咲き始めますが、今度も梅は満開でした。
紅梅園の梅は、まだ硬い蕾ですが、切り落とした蕾のいっぱいついた枝を、若しかしたら喜ばれる方があるやも..と、お客様のお荷物の中に同封しました。
『添えてあった梅の一枝を目にしたときは、ビックリするやら嬉しいやら..、これがまだ見ぬ紅梅園の梅かと、しみじみ眺めながら元気をもらいました。』と、福岡の井波様
『お野菜の中に、つぼみのいっぱいついた梅の枝も入っており、老母が大感謝しております。重ねて感謝申し上げます。 東京 門田様』
私達は、なんと幸せな仕事を戴いたのかと、こちらが大感謝です。
写真左太古の切り株に育った木。真ん中は神社の杉木立。右は眼下に広がる御池。
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