Diary 2007. 11
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11月27日 (火)   文字どうりの慈雨

 今日 16日ぶりの雨が降りました。 本当の ”慈雨”恵みの雨でした。 
乾燥注意報・霜注意報と続き、雨を待ちましたが玉葱の苗が大きくなり過ぎて、移植しました。 心配したとおり、苗の下葉が枯れ始め、3日間、あれほどの広さの玉葱畑に、水掛けでした。 
枯れ始めた玉葱が可愛想やら、水まきの担当が可愛想やら、野菜など計画的に生産するには、どうしても潅水施設が必要と考え、井戸とスプリンクラー設置の見積もりを依頼しました。 
夜、見積もりを見ると、何と 『2百5万円』。 資金的にとても無理だと” ガックリ” しているところに、かすかに雨の気配です。 窓を開けてみてもはっきりしないので、外に出て見たら確かに小雨です。
『神様 仏様 稲尾様』ではありませんが、『神様 仏様 天の神様 有難うございます』 と思わず手を合わせました。
玉葱の苗にも、移植した白菜、ブロッコリー、キャベツの苗にも小麦にも ”慈雨” で、私の心にも本当に ”慈雨” で、ぐっすりと眠りを堪能しました。

左の写真は、10月29日植えたホーレン草、1回目の草取りが終わったばかりへ慈雨。 真ん中は2回の草取りが終って収穫を始めた、ホーレン草で雑草(ほとけのざ)との共生です。 右は10月3日植え付けのニンニクですが、夕べの秋雨に一気に伸びた気がします。 1回目の草取りから次の雑草押さえと乾燥防止に、籾殻を散布してやりました。 間隔を充分とって、元気の良いニンニクを作ります。 

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11月15日 (木)   命をつなぐ 食べ物

 よく続く食品不正の報道、めくりめくような不安で、ここまで続くと、呆れるよりも溜息がでます。 何が原因でこうまで不正が多いのか、、、。 食品を何と心得ているのか、戦後の食料不足の苦難を思い出し、本当に切なく、つらいです。
私が17〜18歳の頃、金はあっても食べ物や物がなく、物々交換の時代、ある復員兵の方が、畑から2k程のサツマイモを盗み、そのサツマイモを首に掛けて、引き回された事がありました。 後で聞くと、その復員兵の方は、やっとの思いで我が家に帰還してみると、幼い2人の子供に食べさせる物がない。 着物も何も交換する品もない。 思い余って、1枚の畑から沢山盗むと持ち主に悪いから、1枚の畑から少しづつ盗んでいたため、捕まった。 大物の泥棒は相手の事等かまわずゴッソリ盗んで、ぬけぬけと大儲けする、、。 せっかく命永らえて、やっと帰って見えた復員兵の方が、引き回された、、、。 

これは、命が関わる、やり場のない切なさで、私達、青年男女で議論した事があります。 『若し今、泥棒しないと、わが子が死ぬかも知れない時、泥棒をしてでも、我が子に食わせるべきか、否か』、 私は、『相手が盗られても命に別状ない時は、泥棒して食べさせる。 悪い事には間違いないが、親としては、法律以前の問題だ』 と、息巻きました。 そしたら、長老のじいさんは、『あんたは、子供を産んでも良い、資格がある』 と、言われたのを思い出します。 兄も、単純な私に、何も言いませんでした。 あの頃食べ物は商品という前に、命に関わるもので、分け合って譲り合って生きた時代でした。 

私達紅梅園は、『食べ物とは、商品である前に、人の命をつなぐ、”食べ物”である。』 事を理念としておりますが、当たり前のことと信じております。

何で食品界に、こんな事が続発するのか、何処に原因があるのか、次世代の子供達は大丈夫なのか、今出てきているのは、賞味期限とか、原料の”ごまかし等”ですが、これから又、何が出てくるか、本気で心配になってきました。

左の写真は、霧島連山の大浪の池に登っていく私のお尻?です。電池切れでたったの1枚です。 真ん中は、野兎にかじられた梅、太い幹を登って、梅の新梢をかじった、刃物で切ったような鋭いかじられた後ですが、毎年何箇所かかじられます。梅園は草ばかりで、兎の食料不足はないはずですから、梅の栄養が欲しいのでしょうか。 右は、『関の尾の瀧公園』等の最終草刈で集まった、微生物達の栄養源の野草で、梅園の敷き草にしますが、大きな山が3つ出来ました。 温暖化で、野草の伸びも良かったのでしょうか。
 

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11月5日 (月)   霧島連山の 登山

 お天気続きで、剪定作業は進みましたが、多少ストレスもかかり、2ヶ月前から誘われていた霧島連山のほんの一部 ”大浪の池” に登山しました。
登り始めて15分位は ”死ぬかと思う程” 苦しく顔色も真っ青だったらしく、『社長、引きかえしましょう』と言われましたが、一度腰を下ろして、呼吸を整え、心の準備をして再び登り始めたら、どうって事はありませんでした。
すれ違う人に 『こんな坂道がずーっと続きますか』 とか、『まだまだ遠いですか』 とか、聞きながら登りました。 人それぞれに、 『うーん、まだだいぶありますね』 と真面目な人、 『ここがちょっと急なだけで、後はどうって事はないですよ』 とか、『もうちょっとですよ』 等と嘘を言って励ましてくれる人、いろいろで、ふーふー言いながら、とても苦しいでしたが、面白い登山でした。
大浪の池は青く、紅葉を始めた木々を映し、キラキラとサザナミがきらめき、空はどこまでも深く、見晴るかす里山、透き通るような林の空気、さっきまでの苦しさは、すっかり消えました。
しかし、肝心の ”デジカメ” が、たった1枚で電池切れとなり、本当に ”残念!無念!の極み” でした。 何時か又登ります。
下の写真は仕方なく、梅園内に実った 左から、”やぶ枯らし”の実。 真ん中は ”からす瓜 ”の実。 右は”自然薯” の実です。 すっかり秋です。

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11月1日 (木)   月始め早々 嬉しい終礼

 一向に寒くならない秋、梅園の草が伸び過ぎて、剪定で切り落とした梅の枝にからまるため枝焼きでした。 雨の予報も近づいているため、全員で枝を寄せたり引っ張ってきたりして、焼きますが、馴れない仕事はこたえます。 連休も近いし、一番遠い梅園なので、全部済ませて帰ろうと頑張ったため、すっかり疲れ果てての終礼。
『終礼の前ですが、お客様からお手紙です』と、富山市のT様からのお便りを渡されました。
季節のご挨拶に続き 
『この暑さも貴園の梅肉エキスで、なんとか乗り切ることができました。 さて、待望のお野菜がどつさり届きました。 沢山のお野菜を目の当たりにし、わくわくといたしております。 青梅ドリンクとも併せ、新しい楽しみが増えました。 ただ 請求書には驚きました。、、、と続き、
とても恐縮いたしております。 
今や数々の貴園のお品は、私どもの健康維持に欠かせない必需品となっております。 
ほんとうに貴園と出会えました幸せをしみじみ感じます。』
ここまで読んで、あとは皆にまわしました。 みんなは、嬉しそうに ”にこにこ”と顔を見合わせながら、手紙を回しておりましたが、私はある緊張感で黙ってしまいました。 ここまで喜ばれ期待されると、何にも換えがたい喜びと同時に、ある種の責任を感じ、引退した後のマニアルと云うか、生産と加工法を、どう纏め書き残すべきかと、心の引き締まる思いがしました。




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